エリザベス・アンスコム著,柏端達也訳.2022,『インテンション:行為と実践知の哲学』岩波書店

趣旨


哲学者の石黒ひではアンスコムの行為論の重要な点を以下のようにまとめています(石黒2007:490)。

一つの行為がたくさんの異なる正しい描写をもち、一つの描写では本人が意図的になしたにしても、ほかの描写では意図的にしえなかったのにそれらの描写も該当し、そのことさえ、本人はまったく知らぬことが可能であることだ。

行為とその記述(上では描写)がどのような関係にあるのか、行為が意図的と言えるのはどのようなときなのか、意図的な行為の特徴はどのようなものなのか、など上の引用文から即座にさまざまな疑問が生じます。おそらく『インテンション』のなかでそれらが明確にされていることでしょう(私はまだ読んでいないのでこれ以上は何も言えません)。

この読書会では、哲学(史)の知識は前提とせず、テキストを参加者みんなでゆっくり読んでいくことで、アンスコムの議論を読み解くことを目指します(現時点で、哲学非専攻者のほうが多いです)。哲学的行為論に関心のある方、エスノメソドロジーに関心のある方はもちろん、「行為の記述」に何らかの点で関心のある方に幅広くご参加いただけると幸いです。

参考文献:石黒ひで,2007,「アンスコムの行為論」『哲学の歴史11 20世紀Ⅱ 論理・数学・言語』中央公論新社:488-492.

概要


日程


各回とも土曜14-17時にZoom開催:途中入退室可

内容
第1回 4/9 顔合わせ&レジュメ担当決め
第2回 4/16 §1-4
第3回 4/23 §5-11
第4回 4/30 §12-16
第5回 5/14 §17-19
第6回 5/21 §20-22
第7回 6/4 §23-24
第8回 6/11 §25-27
第9回 6/18 §28-32
第10回 7/2 §33-35
第11回 7/9 §36-39
第12回 7/16 §40-44
第13回 7/23 §45-48
第14回 7/30 §49-52

参加にあたってのお願い